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京都大学防災研究所防災技術政策研究分野

研究室を志望する学生へ

①指導方針

当研究室は京都大学防災研究所総合防災グループ社会防災研究部門に所属しています。また、工学部地球工学科、工学研究科社会基盤工学専攻の協力講座という位置づけで、地球工学科(土木工学コース)の学部生(4回生)と、社会基盤工学専攻の大学院生(修士課程、博士後期課程)を受け入れています。

大きな研究の方向性は共有したうえで、自ら問いを設定し、それに対する仮説を立て、様々な試行を通じて仮説を検証し、その結果を考察するという、基本的な研究サイクルの手法を身に付けられるよう指導を進めます。

具体的には、教員との個別の打合せ、研究室ゼミでの発表、総合防災グループの研究集会や学会発表などを進めていきます。

学生の皆さんの得意なこと、伸ばしたいことを踏まえたうえで、ステージに応じた研究指導を心がけたいと思います。自分のやりたい研究を明確に持っている場合には、研究室のミッションから大きく外れない範囲において、なるべくそれを卒論・修論のテーマに設定できるよう支援します。

研究に専念できる環境と学会発表や現地調査などの様々な機会を可能な限り提供します(もちろんすべてが満たされるわけではありません。その点はご理解ください)。

水災害リスクは、環境問題、気候変動、土地利用、人口動態など様々な課題と密接に関係します。そのリスクを軽減するためには、国際的な戦略から地域の取り組みまで、様々なスケールでの実践が必要となります。そのためには、視野を広げておくことが大切です。英語による外国人留学生や研究者とのコミュニケーションはもとより、留学やインターンシップなどへの積極的な参加も大切だと考えています。そうした外向きの活動も大いに支援します。

②学生に期待すること

当研究室は、京大防災研に属します。そこに所属する学生も「災害リスクを軽減する研究ミッションの担い手」と捉えています。成果を出すことだけが目的ではありませんが、ぜひその気概をもって、それぞれの研究に取り組んでもらいたいと考えています。

学部生は、自ら問いを立てて探究するという研究の姿勢を学びつつ、現象の観察やデータ分析、考察などを通じて、研究とは何かを学びます。

修士課程の学生は、現象の理解や技術的スキルの習得を土台に、徐々に問いを深めて独自の研究テーマへと発展させていきます。プロジェクトへの参加や議論を通じて、実践的な研究の姿勢を養います。

博士課程の学生は、自らの専門性を基盤に研究テーマを主体的に探究し、最先端の知見を創出することを目指します。プロジェクトや後輩の指導にも関与しながら、研究室全体への貢献も果たします。

③ 卒業後の進路

当研究室では、水災害リスクの軽減に資する技術開発や政策の構想に取り組んでいます。大学・研究機関はもとより、国家・地方公務員、建設コンサルタント、損害保険・リスクコンサルタントなどでは、研究室で学んだ専門的な技術を直接活かせる可能性があり、多くの卒業生がこうした分野の第一線で活躍しています。

また、近年では、分野にとらわれず、防災分野での起業や経営コンサルなど、幅広い領域を志す学生もいます。そのような進路においても、研究を通して培われる「自ら問いを立て、科学的な知見を創出し、それに基づいて社会課題に取り組む姿勢」は役立つと考えています。

進路の例)国土交通省,総務省,大学研究者,民間企業(JR東海、関西電力、戸田建設、大阪ガス、三井不動産 ほか),留学,起業...etc.